・・・1960年代にコンピュータを導入されたとうかがって驚きました。非常に先進的な取り組みをされてこられたのですね。
丸山さん
初代社長が進取の気質に富んだ人で、その社風が現在にも受け継がれているのです。1976年にはテレックスによるデータの送受信が行われるようになり、4年後には全社がオンライン化されました。また、営業担当者も早い時期からポータブル端末を持ち、電話回線を使って受発注業務を行っていました。
実は、医療用医薬品や医療・介護機器販売の業界大手は、ICTに関し非常に先進的です。そのためお取引先となる企業・病院も抵抗なく取り組んでおられるケースが多く、そうしたニーズによりきめ細かくお応えるするために、常に最新のICTと無縁でいるわけにはいかなかったという経緯もあるのです。
・・・ICTのめざましい進化に、柔軟に対応して来られたわけですね。
丸山さん
テレックスがFAXに変わり、大型のオフコンがパソコンに変わって、あらゆる情報がデータとして通信されるようになった。改めて振り返ってみると、隔世の感がありますね。今回、行っている通信回線のデジタル化と、それにともなう情報の一元管理化も、当社の歴史に刻まれる施策のひとつとなります。
現在、国内外の全拠点のIP電話化を進めており、これは今年度中に移行が完了する予定です。また、創業120周年に合わせて新築した医薬物流センターが4月末に完成する見込みですが、ここでの物流管理は一元化された新たな管理システムの一環として行われます。受発注、物流、販売、在庫・倉庫、財務・経理・債権等の管理等を、今回の一元化により総括的に行うことができるようになるわけです。
・・・TV会議システムの導入に関しては、どのようにお考えでしょうか。
丸山さん
会議システムをインフラとして導入するのではなく、社員個々のパソコンにカメラを取り付け、IP電話によるTV電話でミーティングを行い、コミュニケーションを図る方法を模索しています。当社では直接顔を合わせて議論することによってアイディアや提案を醸成していくことを重視しているため、TV電話も会議というよりは情報伝達の手段ととらえ、当面はこのスタイルで様子を見る方向です。
また、営業担当者に貸与している携帯電話を将来的にスマートフォンを利用する、受発注業務に活かす方向で検討を始めたところです。ICTへの取り組みは、常に企業活動と一体で、終わりがありませんね。
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